弓道における引分け(正面打起し)とは
弓道における引分け(正面打起し)とは、打起こした弓を左右均等に引き分ける動作のことをいいます。
引分けの善し悪しは「会」「離れ」に大きな影響を与えるので、丁寧に行うことが求められます。
打起しの後、弓の位置を左方に移行し、左腕で弓を押し、左拳は的の右上において左ひじの際付近に的が位置するようにします。
右手は肘の高さを変えることなく維持したまま額の前方に左拳を、拳一つ分位の間隔を保持しつつ引き付け、矢束の三分の一程度を引き、この
大三の構えで一旦静止します。
動作は、腰を中心に行い、呼吸に合わせて、ゆっくり、静かに、遅滞な
く、左右均等に引き分けます。
両手先だけで引き分けるのではなく、体で引くことが重要です。
左右のバランスの取れた引分けは、弓矢と体の十文字が正しく形成され
て、弓と体が一体となります。
弓道における引分け(正面打起し)の7つのポイント
・左右の拳の平衡を保つ
・手先や親指に力を入れず、その感覚に頼らない大きな引分け、即ち、
二の腕の働きを重視した引分けを意識する
・水を入れた器の上に矢を置くイメージをして、器の水をこぼさないよ
うにゆっくりと丁寧に引き分ける
・的から視線を外さない
・遠くに離れた的を狙うのではなく的を自分に引き付ける感覚で臨む
・的の中心を狙う
・矢束の三分の一程度を引く(大三)
額から拳一つ分
大三の構えでは、右こぶしを額から拳一つ分は那須の一つの目安になり
ます。
弽の候が上を向くように二の腕で全体で捻る
引き分ける際には、弽の候が上を向くように二の腕で全体で捻るように
します。
手先だけでひねると矢こぼれが発生する原因となるので注意しましょう
。
弓手肘(左肘)
大三の肘は、捻りすぎず、照りすぎず、円相で構えた肘の状態をそのま
ま大三に移行させます。
こうすることで、二の腕の三本の筋肉を十分に使うことができます。
左肘は突っ張らないようして、少し余裕を持たせましょう。
また、両肩が上がらないように注意しましょう。
弓道における引分けのコツ
弓道における引分けのコツは、押し手が主導して動作するという点にあ
ります。
引分けとは、打起し後に弓と弦を左右に引き離す動作をいいます。
この引分けの最初の段階を「押大目引三分一」と言われ、左手の押す力
は大きく、右手の引く力はその三分の一程度にするという意味から「大
三」ともいわれ、矢尺の半分が理想とされます。
押し手が主導していないと、矢こぼれを起こすので注意しましょう。右
手は額の上拳一つ分体から離します。
前腕全体で微妙のひねりを加え、手の甲が上に向くようにします。
この時、人差し指の付け根が弦に触れているのを確認しましょう。
左肘に余裕を持たせて円相をしっかりと維持します。
弓道における引分けの2つのポイント
弓道における引分けには①額から拳一つ分開ける、②二の腕にひねりを
加えやや内側に返す、という2つのポイントがあります。
額から拳一つ分開ける
引分けでは、上から下に移動する上下の動作を意識するようにします。
できるだけ体の近くで大三を行い、右手は額から拳一つ分開ける程度が
目安になります。
これより遠い位置で構えると、離れがうまくいかなくなるので注意しま
しょう。
二の腕にひねりを加えやや内側に返す
押し手は、親指と人差し指の付け根が水平になるようにします。
打起しから大三への流れで腕が体に近くなるため、弽に軽くひねりを加
えます。
やや内側に返すようにし、親指の入り具合を確認し、手の内の角見で押
す感覚を意識します。
手の内が入りすぎたり、力を入れすぎたりしないように注意します。