弓道における引分け・大三の重要性
弓道では打起し後、弓と弦を左右に引っ張り分けて離す「引分け」という動作を行います。
この引分けにおいては、バランスを考えて弓と弦を引き離すことが重要といわれ、特に引分けの最初の段階では、左手の押す力は大きくして右手の引く力は左手の三分の一程度にするという「押大目引三分一」、略して「大三」が特に重要であるといわれています。
大三が示すように常に押し手(左手)がリードしないと矢こぼれを起こしてしまいます。
大三では、右手は額の上拳一つ分体から離します。前腕全体で少し捻り手の甲が上を向くようにして、人差し指付け根が弦に触れるように確認します。
押手(左手)はやや内側に返すようにして、親指が控えすぎたり入りすぎたりしていないか、手の内で角見が押す位置を確認します。また、親指と人差し指の付け根が水平になるようにします。
弓道における引分け・大三の4つのポイント
弓道における引分け・大三においては①上から下へ動かすことを意識して引分ける、②左腕と肩甲骨を一体化させる、③手首の力を抜きつまみ引きをさける、④指導者の補助による巻ワラでの弦とり練習、の4つのポイントがあります。
①上から下へ動かすことを意識して引分ける
引分けは弓を体に引き寄せる水平方向の動きというよりも、上から下へ移動させる垂直方向の動きであるという点を意識して行うことが重要です。
できる限り体の近くで大三を行い、右こぶしが顔より拳一つ分前、また額より拳一つ分上ぐらいの位置にあるのがよいでしょう。拳一つ分以上に遠くに構えると、ゆるみ離れになるので注意しましょう。
②左腕と肩甲骨を一体化させる
大三の動きを示す言葉として「左手は天をつき、右手は地球を吊るす」という言葉があります。肩甲骨と腕を一体化して動かすのです。左前腕はやや回内するのが最大の力を出せるのです。
ただし骨格により回外、または何もしない方がよい人もいます。上腕も外旋した方がよい人や内旋した方がよい人がいます。
③手首の力を抜きつまみ引きをさける
右手に力が入りすぎると、肘ではなくて首に力が入りすぎて、弦を強く引きすぎてしまう「手手繰り引き」や、手首や指に力が入りすぎる「つまみ引き」になってしまいます。
手首の力は抜いて肘を大きく動かす意識で行うことが重要です。
④指導者の補助による巻ワラでの弦とり練習
巻き藁で行う、指導者が補助をする練習方があります。指導者は右手で射手の弓を軽く持ち、左手の親指で弦をとります。
射手の引分け具合により、軽く押すと、それに対して射手は前方(指導者側)へ力を加え、弓の中へ体を割り込む感覚が身につきます。